この子との出会いは10年くらい前のこと、我が家へ迷い犬としてやってまいりました。
初めてきたときはモコモコの毛に引っ付き虫をいっぱいつけていてね、
それを父が半日かかってとってやりました。
ハスキー犬って結構怖いと思うかもしれませんが、それはそれは人懐こいワンコでした。
このまま放すときっと野良犬がいるという通報が保健所に入ってかわいそうなことになる、
首輪が付いていたのでどこかの飼い犬だったことは確か。
近所中を聞き回ったけど、誰も知らないと・・・
そうこうしているうちに情がうつり・・・
結局家で飼うことになったというわけです。
名前をどうしようと考えたわけですが、飼い犬だったので、名前があったはず、
そこで思いつくままいろんな名前を呼んでみた。でも知らん振り。
しかし、「リリー!」に反応したしたのです。
名前は「リリー」に決定~♪
それからというもの、家族の一員としてともに暮らしてきました。
よう様も一緒に遊びましたね~。子どもにも優しいリリーでした(^^)
10年、いやうちに来たときは獣医さんに生後2年くらいといわれていたので、生まれてから12年くらいになったのかな、
かなりおばあさんワンコになり、足腰弱ってきたり、胃腸の調子も悪くなったり、
往診もしてもらいました。
調子がよくなってきたころ、市の「狂犬病ワクチン接種」の日がきました。
ちょっとした段差もひょいとあがって、接種会場まで行くと、
獣医が二人、ひとりはリリーの主治医、もう一人は知らない先生でした。
順番が来て、リリーは知らないほうの先生に、
後ろを向いたリリーのお尻のあたりに垂直にブスッと突き刺しました。
知らない先生は、犬にかまれた経験があるかないのかは知りませんが、怖いと思ったのでしょう。
普通、首のところをつかんで皮の下に打ちませんか?
リリーは普段からお尻を触られるのさえ嫌いなんです。
リリーは痛いのとびっくりしたのと両方で、一瞬にして腰砕けになって歩けなくなりました。
しばらく休めば歩けるようになるかと思いましたが、歩き出すも後ろ足を引きずって上手く歩けませんでした。
怖くないので首に打ってくれたらよかったんです。
主治医の先生ならきっとそんなことはしなかったはず・・・
いつもの主治医のところに行き、その話をしました。
レントゲンを撮り、背骨が曲がっていることは年のせいかも、しかし歩けないのは注射が神経に当たった可能性ともうひとつは驚いてぎっくり腰のような状態を起こしているのかもしれないということでした。
注射のとき、隣で見ておられたので、状況はよくわかっています。
主治医は自分が打った注射でもないのに良心的に2週間分の薬(痛み止めなど)を無料でくれました。
けれども、リリーの状態は悪くなる一方で、どちらにしてもこの暑い夏は乗り切れないだろうとは思っていたけど、
ついには小屋から出られなくなり、ご飯も水もいらないと首をヨコに振り、父の献身的な介護も及ばず、
7月7日の晩、天へと導かれました。
七夕の日、雨で星もないお空が、これがまた悲しみを誘うようでした。
一番悲しさと空しさを隠し切れないのは父なのかもしれません。
庭には今、大輪のカサブランカが次々と開花しています。
そっかぁ、リリーはその名のとおり、
ユリの化身だったのね!
元の姿に戻って、綺麗なユリの花になったのよ。女の子だしね♪
ユリのメシベを見るとリリーの鼻先に見えて仕方がないんですよね~(笑)
ペットと暮らすといつか別れが来る、わかっていてもつらいもの、なんですよねぇ(><)。。。
あ~あ、長くなっちゃった(^^;